お仕事・家事にお疲れさまでした。
今日は、ちょっと暑かったでしょうか🥵? でも…、確実に秋が近づいているのを感じる今日この頃ですよね😅。
前回は、建設業の許可がいらない軽微な工事・附帯工事についてお話をさせて頂きましたが、本日は、軽微な工事・附帯工事ではないが許可がいるのかどうな迷ってしまう事例を2つご紹介してみたいと思います。
1.「委託契約」であれば建設業の許可はいらないの?
こんなお話を聞いたことがあります、契約書に「請負契約」ではなく「委託契約」って書いてあるから建設業の許可はなくて大丈夫だよね…? 本当に大丈夫なんでしょうか?
そもそも「請負契約」・「委託契約」とはどんなものなのでしょうか? あらためて考えてみましょう!
①『請負契約』とは?
「請負契約」については、民法632条で「当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約」とされています。
【民法632条 (請負)】
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
②『委託契約』とは?
「委託契約」に関しては、何と民法には何の規定もされていません、一般的には「委任(準委任)契約或いは請負契約」のいずれかに該当するものして使われているようです。
「委任・準委任」につていは、民法643条・656条で次の通り規定されています。
【民法643条 (委任)】
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
【民法656条 (準委任)】
この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
では、500万円以上の建設工事であっても「委任契約」であれば建設業の許可がなくても本当に大丈夫なのでしょうか?
大丈夫なわけないですよね、ダメです!
建設業法24条で下記のように定められています。
上記のような「委託契約」は「請負契約」とみなされるのです、つまり建設業の許可がなければ工事を請負うことはできないのです。
【建設業法24条 (請負契約とみなす場合)】
委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。
2.船の500万円以上の内装工事、これってやっぱり建設業の許可が必要ですよね?
このお話を聞いたとき「必要です」と言いかけましたが、自信がななかったので後日のご返事とし、よくよく調べてみてビックリです!
まずは「建築工事」の定義を確認してみましょう。
建設業の定義は建設業法第2条にあります、「土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう」と定義していいます(別表第一とは建設業種29業種のことです)。
この建設業法第2条では少しわかりずらいですよね。
「行政書士まさ」的には、「建築工事」は次のことを判断基準の一つとしています、参考の一つとしてみてください。
建築物、その他土地に定着する工作物について、新しく作る、作り直す、取り除く、解体する作業を行うこと
そうすると、船は建築物でも土地に定着している工作物でもありません、従って船の内装工事は「建築工事」に該当しないことになります。
つまり、500万円以上の船の内装工事には、建設業の許可が必要ないということになります。
埼玉県の建設業許可申請・届出の手引きにはありませんでしたが、「茨城県の建設業許可の手引き」の「建設業の許可について」のP1.建設業とはに「建設工事に該当しないもの」の一覧が掲載されていました、次の通りです、参考にしてください。
*「建設工事」に該当しないもの
保守点検,維持管理,除草,草刈,伐採,除雪,融雪剤散布,測量,墨出し,地質調査,樹木の剪定,庭木の管理,造林,採石,調査目的のボーリング,施肥等の造園管理業務,造船,機械器具製造・修理,機械の賃貸,宅地建物取引,建売住宅の販売,浄化槽清掃,ボイラー洗浄,側溝清掃,コンサルタント,設計,リース,資材の販売,機械・資材の運搬,保守・点検・管理業務等の委託業務,物品販売,清掃,人工出し,解体工事で生じた金属等の売却収入,JV の構成員である場合のその JV からの下請工事,自社建物の建設。
今回の船の内装工事は、上記のように「建設工事に該当しないもの」の「造船」に当たります、やっぱり建設業の許可は必要ないことになりますね。
本日は以上です、建設業の許可をちょっと違う角度で見ることができて少し新鮮だったんではないでしょうか?、行政書士のまさ的にも新鮮で、えぇーーって感じでした。
次回は「建設工事の請負契約」についてお話をしていきたいと思います。